立教女学院中学校・高等学校

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立教女学院に根ざすキリスト教教育 短期留学で語学力と教養を深める

inter-edu’s eye

京王井の頭線「三鷹台」駅前、閑静な住宅街の一角に、緑豊かなキャンパスを持つ立教女学院中学校・高等学校(以下、立教女学院)。一定の基準を満たせば立教大学に推薦入学することができる一方で、他大学を目指して受験する生徒も3〜4割いるのが特徴です。大学進学を最終的な目標とせず、将来の生き方を考えながら多様な進路を選び取ることができるような指導を展開している同校の取り組みの一例として短期留学を含む国際教育プログラムを取り上げ、同校のキリスト教に基づく女子教育をご紹介します。

01 立教女学院が掲げる3つの柱

ミッション校として、深い教養と豊かな人間性を、喜んで他者のために用いることができる人を育ててきた立教女学院。その教育方針には「3つの柱」があります。

立教女学院の教育方針

一人ひとりの個性を尊重し、
物事の本質を知ろうとする広く深い学びと
キリストの愛にならった豊かな人格形成を通して、
次代を創り・担うことのできる女性の育成

教育方針に続く3つの柱

キリスト教教育

豊かな人格形成~感謝・祈り・奉仕

自治活動

自主性と自律性を尊重し合い、共に生きる力を養う

学習

時代を見据えて主体的にさまざまな領域を深く学び、高等教育につながる多角的視点と論理的思考を養う

02 様々な国際交流プログラム

立教女学院は長年にわたり、海外姉妹校との交換留学を行ってきました。近年ではそれに加え、さらなる国際的な視野と知識を養う機会を設けています。その一つがUC Davis(カリフォルニア大学デービス校)への短期留学。パブリック・アイビー(公立名門校)として知られる大学での充実したプログラムを体験してきた高校生2名と引率の先生からお話をうかがいました。

最先端の学問に取り組むラボの様子を見学
最先端の学問に取り組むラボの様子を見学

このプログラムにはどのような目的があるのでしょうか。

S.S.さん

S.S.さん

中3の時にホームステイをして、今度は学校主体の留学に参加したい、と思ったのがきっかけです。UC Davisへの留学では、英語力の向上だけではなく、最先端の学問に触れられるので、新しい世界が開けると思い、参加しました。医療従事者の方にもお話を伺ってみたいと思ったからでもあります。

初めて見る実験器具や薬品の数々に圧倒されます
初めて見る実験器具や薬品の数々に圧倒されます
R.N.さん

R.N.さん

入学する前から、立教女学院は国際交流プログラムが充実していると聞いていたので、1年前の留学説明会からずっと参加を楽しみにしていました。海外大学への進学や、国際的に活躍する仕事への興味から、私の今の英語力がどこまで通じるのかを試しながら、アメリカの大学と日本の大学の違いを知りたいと思い、参加を決めました。

この留学にはどのような目的があるのでしょうか。

宇野先生

宇野先生

このプログラムは、英語力を伸ばすだけではなく、日本で学んでいるだけでは得られない知識や新しい考え方に触れることで、自分の将来やキャリア形成について考えるきっかけにするためのものです。
留学先であるカリフォルニアは、比較的穏やかな気候に恵まれた地域です。生徒たちが学んだUC Davisは、農学や生物学などの理系分野に定評があり、パブリック・アイビーとも称される名門大学です。学生寮に9日間滞在し、大学生と交流するなど、座学だけでは得られない学びを体験する留学プログラムです。

希少な種を育成するキャンパス内の植物園
希少な種を育成するキャンパス内の植物園

現地ではどんな体験がありましたか?

S.S.さん

S.S.さん

研究室での実習では、学生が化学研究の成果を発表して下さって、何よりも驚いたのは、その内容が世界の最先端を行く研究であったことです。
発表グループのリーダーはインド出身の学生だったのですが、その他にも様々な国から学生が集まってきており、多様性を実感しました。また、現地で生活している日本人の方からお話を聞く機会がありました。アメリカのビザを取得するまでのお話や、アクセントのある英語を話していてお仕事で苦労されたことなどをうかがい、異国で暮らすことの難しさを知ることができました。

多様な背景を持つ学生からユニバーサルデザインを学びます
多様な背景を持つ学生からユニバーサルデザインを学びます
R.N.さん

R.N.さん

大学生の日常生活を感じられるキャンパスツアーが印象に残りました。キャンパスには珍しい植物標本や動物のはく製などの様々な研究資料が展示されている校舎があり、生き物が好きな私にとってたまらなく楽しいひとときでした。サクラメント歴史博物館にも見学に行き、アメリカン・コミックスが展示されているのを見て、日本との文化に対する捉え方の違いを感じました。
立教女学院では「身につけた深い教養と豊かな人間性を、喜んで他者のために用いることができる人になりなさい」と教わってきましたが、この留学プログラムを通して、多様性が重んじられる現代の世界で私自身の力をどのように使うべきか、少し分かったような気がしました。

03 留学による成長
英語力だけでなく、その先へ

02で見たように、立教女学院の短期留学は語学研修だけが目的ではありません。多彩なプログラムや寮生活を通じて得られた学究的かつ人間的な体験によって、生徒たちはどのように成長したのでしょうか。

先生にとって印象的だったエピソードはありましたか。

宇野先生

宇野先生

大学生との質疑応答で、日を追うごとに挙手をする生徒が増えていったのが印象的でした。聞くことは恥ずかしいことではない、ということが浸透していったのだと思います。また、コミュニケーションを取るために一生懸命努力していた姿も思い出されます。

キャンパス内の博物館展示に全員が興味津々の様子
キャンパス内の博物館展示に全員が興味津々の様子

生徒の皆さんの留学経験を活かすような今後の取り組みを教えて下さい。

宇野先生

宇野先生

本校の生徒は英語力が高いので、それを引き出すような授業、たとえばオープンエンドな問いに対して生徒が討論するような、グループワークを取り入れた授業を展開したいと思います。英語科として、英語力はもちろんのこと、学問的な視点から自己表現の手段を広げる力を伸ばしたいです。今回の短期留学では、生徒たちの英語力の成長が見られたので、次の段階に進むのが楽しみです。アメリカは将来の夢を明確に語る学生が多いので、同じようにお互いの夢を話す機会があってもいいですね。

04 心の成長を
促してくれた学び舎

普段の授業や学校生活についてどのように捉えているのか、短期留学に参加した生徒に率直な感想を聞かせていただきました。

入学以降、自分の成長を実感しているのはどんな点でしょうか。

S.S.さん

S.S.さん

礼拝の時間やさまざまなプログラムを通して、自分自身と向き合う機会が多くあり、少しずつ自分で考えて自分で決めるということができるようになったと感じます。立教女学院にはキリスト教の理念である「隣人を愛しなさい」という理念が根付いていて、お互いを尊重する校風があります。優しい人たちに恵まれた今の環境に感謝する気持ちを持てること自体が、私の成長の証だと考えています。

R.N.さん

R.N.さん

小学校に通っていた頃は世間が狭かったように感じます。中学生になってからは、帰国子女や立教女学院小学校から上がってきた人など、いろいろな背景を持つ人が集まる環境で、たくさんの人と関わる中で自分自身の視野が広がりました。聖書を読むようになってからは、様々なニュースについての見方が変わりましたし、困っている人を見かけたら何ができるかを考えています。また、海外進学して獣医学研究者になるという夢が見つかったので、英語と同じくらい理系の科目も頑張るという目標を持つようにもなりました。

在校生という立場から、立教女学院の魅力を教えて下さい。

S.S.さん

S.S.さん

立教大学の関係校として、推薦制度を利用することもできるのですが、海外を含め、他大学に進学する人へのサポートがあるのも魅力の1つです。私は学校の英語の授業だけで英語力をしっかり身につけることができ、外部模試の英語や英語検定では良い結果を残すことができました。
校舎もきれいですし、毎日使うトイレも清潔です。また、先輩や先生方とよい関係を築けるので、卒業した後もつながっていける大切な人たちにたくさん出会えます。

R.N.さん

R.N.さん

何より緑豊かなキャンパスをお勧めしたいです。季節ごとに風景を変え、四季の花々が学校生活を彩ってくれるキャンパス全体にゆったりした時間が流れており、職員室へ数学の質問をしに行くと、校長先生が教えてくださったりもします。
カフェテリアでは友達とおしゃべりしながら温かい食事をとることができます。焼きたてパンもすごく種類があっておいしいんですよ。受験生の皆さんもぜひ文化祭のときに足を運んでみてください。立教女学院でお待ちしています!

編集後記

生徒や先生のお話からミッション校ならではの教育への信念を感じ、建学の精神や教育目標が様々なプログラムや日々の学校生活に息づいていることを理解できました。

イベント情報

マーガレット祭

2024年10月25日(金)・26(土)

キリスト教学校合同フェア@青山学院中等部

2025年3月20日(木・祝)