聖徳学園中学・高等学校

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日本文化理解から始まる グローバルリーダー育成プログラム

inter-edu’s eye

日本国から遣隋使を派遣し、海外の文化を取り入れるために邁進した聖徳太子の言葉として伝えられている「和を以って尊しとなす」、通称「和の精神」がルーツになっている聖徳学園中学・高等学校(以下、聖徳学園)。昨今の学校教育で必要性が認識されているグローバル教育の先駆者として取り組んできた軌跡の一端を、生徒・先生へのインタビュー取材を通してご紹介します。

ハイレベルな要望に応えるためのカリキュラム改革

聖徳学園のグローバル教育には、生徒自身が主役となり「個」を確立するための日本文化理解と、価値観の垣根を越えて「自分」を表現するための異文化理解が含まれています。ただ単に海外に目を向ければよいというものではなく、複合的な学習体験を通してグローバルリーダーの素養を身に付けるというプログラムが実践されてきました。

  • スプリング/
    オータム キャンプ

    新潟県阿賀町で農家に民泊しながら、農業の原点である田植え(スプリング)や稲刈り(オータム)を体験します。毎日当たり前のように食べているお米をきっかけに日本人としてのアイデンティティーを見つめ直します。

  • 関西研修

    奈良・京都を訪れ、石舞台古墳・法隆寺・東大寺・伏見稲荷大社・清水寺などから日本古来の文化や歴史について改めて体感します。地元の方々との交流によるコミュニケーション能力の向上も図ります。

  • 国際研修旅行

    中学のグローバル教育の集大成となる必修の旅行です。渡航先はニュージーランドとシンガポールから選択します。ニュージーランドではホームステイをしながら、現地校に通学してアクティビティにも参加します。シンガポールでは現地の大学生との観光ガイドツアーや1日ホームビジットなどの交流を行います。

国内研修で印象の強かった内容を教えてください。

M.T.さん

M.T.さん

1年生の秋に参加したキャンプでは、稲刈りや天日干しをしながら、農家の方から里山の暮らしを教えてもらいました。昔からの食文化を学んだだけでなく、農家が人手不足に困っていることや高齢化が大きな問題になっていることを知ることが出来ました。

K.U.くん

K.U.くん

2年生の関西研修では、聖徳学園にもゆかりがある奈良・京都の有名な寺社仏閣をたくさん訪れるために、時間の使い方に気をつかっていました。歴史の重さを感じたうえに、同じ日本でも地域によって方言や文化が大きく違ってくることを体感しました。

蘇我氏の氏寺で聖徳太子にも所縁がある飛鳥寺

校外で学ぶ機会がたくさんあるそうですね。

M.T.さん

M.T.さん

すべての行事で周囲とのコミュニケーションを必要とされるので、その面ではかなり鍛えられたと思います。最近では、上野・浅草の東京研修で外国の方に英語で話しかけてインタビューをするという取り組みがあって、上手く話せなくても時間をかけて気持ちを伝えるといった場面がありました。いろんな考えや表現方法を試せたことは、高校で入学してくる新しいメンバー(高入生)にも応用できると思っています。

K.U.くん

K.U.くん

僕が外国の方に話しかけた際は、英語の表現力がつたなくて自信を無くしそうでしたが、友だちの助けを借りたり学校の授業で学んだことを思い出したりして、勇気で乗り切ることができました。人によって質問の受け取り方や感じ方が違ってくるでしょうから、まずは認め合う文化を知るのが大切なんだと改めて実感しました。

浅草寺で外国人観光客に英語で質問チャレンジ

これから旅立つ国際研修旅行にどんなことを期待していますか。

M.T.さん

M.T.さん

ニュージーランドでは文化の違いを感じながら英語の勉強を頑張るつもりです。食事を楽しみにしているのですが、初めての海外体験なので正直に言えば英語でのコミュニケーションやホームステイの生活に少しだけ不安があります。英会話にある苦手意識を無くすことを研修旅行の目的にしています。

K.U.くん

K.U.くん

シンガポールを選んだのは、英語に不慣れでもサポートしてくれる体制があることと、中3生の今しか行けない場所のような気がしたからです。日本と異なる文化や歴史がある海外で、いろんな国から集まる学生との交流を楽しみにしています。観光要素がある点も思い出づくりになって良いと思います。

美術部に所属するM.T.さんのホームでもある美術室
キャンパス内に3つある理科実験室のひとつ

皆さんはどんなところに「聖徳学園らしさ」を感じますか。

M.T.さん

M.T.さん

多くの授業でグループワークや発表の機会があり、以前よりも人前で話すことが得意になりました。案を出したり資料を作成したりする役割など、全員が主体的に関われるので単純に授業を受けるのが楽しくなります。
先生方は一人ひとりに寄り添って疑問に対するヒントを一緒に考えてもらえます。答えを教えてくれるのではなく、問題を解く考え方を教えてもらう点が気に入っています。

K.U.くん

K.U.くん

入学前からICT活用に力を入れていると聞いていただけあって、タブレットやノートパソコンを使った授業内容がとても分かりやすいです。勉強だけでなく学校生活の中でも、僕よりもすごいと思える才能を持った仲間がたくさんいて、いつも刺激を受け続けています。

中学から取り組むグローバルリーダー育成プログラムの目的とは

一連のグローバル教育で得られた知識と行動のゴールとはどんなものでしょうか。

中高6年間、生徒の成長を見守っている学年主任の 佐藤克吉先生からは、未来のリーダーを育成するプログラムの数々が導入された理由をうかがいました。

お話をうかがった理科教諭の佐藤先生
佐藤先生

佐藤先生

世界で活躍できるグローバルリーダーに育ってほしいという理想はありますが、まずはその基礎として寛容な人格や幅広い視野を身に付けることが先決です。中学校で学んだ内容は基礎の段階であり、高校からの3年間が本番だと知ってほしいですね。 今後はどの授業でも英語力が求められる時代です。小学生の頃は知らなかった英語を中学から楽しい英語として親しみ、高校では使える英語に変えていくのが聖徳学園の語学指導です。いずれは学問の手段としての英語を話せるようになるはずです。

みんなで考え導き出す中3の英語授業

研修旅行を軸にした体験学習がとても興味深いです。

佐藤先生

佐藤先生

中学前半は日本の文化を追体験する学びでもあります。オータムキャンプでは昔から続く農業・畜産業・林業の裏側を知り、関西研修では歴史そのものである寺社仏閣の存在意義を肌身で感じ取ります。こうした多数の体験を通して、生徒自らが何を学ぶべきか、何をしなければいけないのかを考えられる高校生になってほしいと願っています。

今後も変わりゆく社会に対応すべく、どのような指導をされていますか。

佐藤先生

佐藤先生

広い世界には日本流の学力だけでは通用しない社会があることが明白ですから、日本人としてまっすぐな人格の形成に重きを置いています。私自身が生徒個人を理解できるように同じ目線で関わり、親身になって指導するのもその目的のためです。
さらに、私たちは海外大学に進学したり、理系学部に進学したりする生徒たちにも適切なサポートができます。あらゆる可能性を考慮して、生徒の個性を活かしながら可能性をつぶさない指導が聖徳学園の強みなのです。これからの進展にどうぞご期待ください。

  • 新制服プロジェクト

    2024年度からは、ユニバーサルデザインを採り入れた制服が導入されました。研修旅行先にもなっているニュージーランドの高品質なメリノウール(ZQ Wool)は、SDGsの観点から管理されている牧場から生産されています。在校生の意見が反映された新制服は、緑のラインがジャケットに入っていることと男女共通デザインのスラックスが特徴となっています。

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2024年度から新調された制服デザイン
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中学生制服
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高校生制服

編集後記

聖徳学園では近年、海外大学への進学実績が伸びつつあります。その背景には海外で学ぶイメージを持てる学習環境が大きく影響しているはずです。さらに、生徒個人を尊重して良い点を伸ばす教育は、何かにチャレンジしたい低学年のお子さまにこそ必要なものでしょう。画一的な公立校との違いを大きく感じることができた取材となりました。

イベント情報一覧

中学説明会

2024年10月19日(土) 14:30~16:00

プライマリー入試説明会

2024年10月19日(土) 16:00~16:45

適性検査型入試説明会

2024年11月9日(土) 10:00~11:30

中学説明会

2024年11月9日(土) 14:30~16:00

プライマリー入試説明会

2024年11月9日(土) 16:00~16:45