inter-edu’s eye
「社会で即戦力として活躍するためのスキルを身につける」瀧野川女子の教育を語るうえで一貫したテーマとなっていますが、英語教育においても同様です。英語の授業だけでなく、ほかの科目や部活動などでも、日常的に英語を話す機会を作り、生徒の英語力向上に努めています。連載最終回は、瀧野川女子の英語教育に注目します。
学校公式サイト ≫英語が飛び交う環境づくり
英語が飛び交う環境がある瀧野川女子。生徒たちは、どのように感じているのでしょうか。また、その狙いや取り組みについて英語科主任の岩城先生にも話をうかがいました。
T.Rさん:中3生。生徒会副会長を務める。茶道部に所属。趣味はピアノとバレエ。
岩城先生:英語科主任
インターエデュ(以下、エデュ):英語の授業はどのような雰囲気で行われているのですか?
T.Rさん:生徒は積極的に発言をしますし、先生も授業を楽しませようとしてくださるので、にぎやかで笑いの絶えない授業が多いです。
岩城先生:確かに笑い声がよく聞こえてきますね。英語を嫌いにならないような授業をしようと工夫している点は、どの先生も同じだと思います。
T.Rさん:楽しい授業のおかげで、クラスの雰囲気が明るくなっていると思います。
エデュ:先生方は、どのようなことを心掛けて授業を行っているのでしょうか。
岩城先生:基本的には、発言の回数を増やしたり、書かせたりするなど、生徒主導の授業になるように心掛けています。オールイングリッシュの授業ではありますが、英語が苦手な生徒に対しては、日本語でフォローをするようにもしています。
エデュ:T.Rさんは、英語を学習するうえで何か工夫をしていますか?
T.Rさん:予習、復習をきちんとすることと、分からない文法があれば放課後、先生に聞いてすぐに解消するようにしています。放課後に、高校生対象の「アドバンストクラス」に参加させてもらって、高校の英語を学んでいるのも刺激になっています。英検取得にも積極的に挑戦していて、現在準2級の一次まで合格しています。
岩城先生:「アドバンストクラス」は、国際系の大学を目指す高校生を対象にしたクラスなのですが、中学生は3人が受講しています。英語力をアップさせたいと考えているのであれば、中学生でも参加できるようにしています。
授業外でも英語があふれる環境
エデュ:授業のほかにも英語を話す機会はありますか?
T.Rさん:美術や音楽の授業には毎回、ネイティブの先生が生徒の立場で参加していて、授業の内容をお互いに英語で教えあっています。英語の授業ではないので、より日常生活に沿った英語を使っているイメージがあります。
岩城先生:当たり前に英語が話せるようになることが英語科としての目標ですから、美術や音楽などの授業で、生徒が通訳となってネイティブの先生に英語で授業の内容を説明したりしています。
ネイティブの先生と一緒に受ける美術の授業
エデュ:英語力が上がったと実感することはありますか?
T.Rさん:街で外国の方から道を聞かれたり、電車の乗り方を聞かれたりしたときに、話している内容がすぐに理解できるようになりました。あとは、海外の映画を字幕なしで少しだけ観れるようになったことですね。
エデュ:身についた英語力を活かしてチャレンジしてみたいことはありますか?
T.Rさん:今の目標は、英語の本を読み通したいです。まだ文章が難しく、分からない単語もたくさんあるので、英語の本を自分の力で一冊ちゃんと読めるように勉強していきたいです。
iPadを使用した英語教師との交換日記
イマージョン教育の様子を動画で詳しく!
瀧野川女子のイマージョン教育を動画で詳しくご紹介します。
瀧野川女子の英語教育
エデュ:瀧野川女子の英語教育の特徴を教えてください。
岩城先生:当たり前に英語を使えるような環境が整備されているのが大きな特徴です。英語の授業をはじめ、クラス活動や部活動に至るまで、ネイティブの先生が多く関わることで、英語が日常の一部になるような環境を作っています。
エデュ:すぐに英語が使えるようになるための、授業の工夫について教えてください。
岩城先生:教科書は、実生活に近い内容のものを使い、重要表現に関しては、なるべくたくさん口に出して暗唱できるまで指導しています。こうした取り組みは、ネイティブの先生との会話にも役立っていると思います。また、できるだけ英語を使ってほしいので、オールイングリッシュで授業を行っています。
エデュ:英語の授業を通して、生徒にどのように育ってほしいと考えていますか。
岩城先生:まずは、英語が好きであってほしいということと、ためらうことなく英語を使ってほしいと考えています。頭で考えて話すのではなく、日本語と同様、すぐに英語が出るようになってくれたらうれしいですね。
編集者から見たポイント
英語の授業以外で英語を話す機会がまだまだ限られている昨今、瀧野川女子では英語を話す場面を積極的に設けています。美術の授業で、生徒が英語でネイティブの先生に説明している姿はまさに象徴的な光景でしょう。習うだけでなく慣れる。この環境が、学校の外に出ても臆することなく外国の方と接することができる生徒をはぐくんでいるのではないでしょうか。