高3生の約8割が年内に合格! 大学合格実績から見る瀧野川女子の新世代教育

高3生の約8割が年内に合格! 大学合格実績から見る瀧野川女子の新世代教育

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北区にある瀧野川女子学園中学高等学校(以下、瀧野川女子)は、近年、総合型選抜や公募型推薦での大学合格実績を伸ばしています。実績の詳細と、合格者数増加の要因を副校長・山口龍介先生にうかがいます。

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大学入試の変化と大学の教育現場の声を知っていますか

副校長・山口龍介先生
副校長・山口龍介先生。先頭に立って、瀧野川女子の教育のICT化を進めてきました

筑波大、上智大、東京理科大、現役で難関校に合格

インターエデュ(以下、エデュ):2021年度大学入試の総括をお願いします。

山口副校長:合格者数が昨年比で、総合型選抜は4倍、公募型推薦は2.6倍に増加しました。2020年12月までに高3生の約8割が合格を勝ち取り、その大学には筑波大や宇都宮大、上智大や東京理科大など、国立大や難関私大を含みます。

瀧野川女子のネイティブ教員
合格者数の推移。2021年度大学入試では、総合型選抜と公募型推薦どちらも数値を大きく伸ばしました
デッサンの講座
このほか、特進コースや進学コースでも成蹊大や日本女子大、埼玉医科大への合格者を輩出しました
難関大合格! 詳しい実績を見る ≫

一般入試での入学者数はもはや定員の半分以下

エデュ:大学入試改革初年度でしたが、影響はなかったのでしょうか。

山口副校長:大学入学共通テスト(旧センター試験)の内容が注目されていますが、私大の入学定員の半数以上は、大学入学共通テストより前に合否を判定する総合型選抜や学校推薦型選抜で決まります。つまり、1月の大学入学共通テストから始まる一般入試での合格者は、定員の半分以下なのです。国公立大でも、一般入試以外の入学定員が2割、3割と増えてきており、大学受験の形式はすでに大きく変わっています。

エデュ:山口副校長は、総合型選抜や公募型推薦をどのような入試とお考えでしょうか。

山口副校長:例えるなら、企業の採用試験のような入試です。これまでの経歴書であるポートフォリオや志望理由書、適性を確認する試験に加え、面接試験が重視されます。なぜこのような形式なのか。それは、一般入試のようなペーパー試験では大学が本当に合格させたい受験生を選べないからです。

大学が求めている学生とは

山口副校長:大学の先生の側から見ると分かりますが、ともに学び、研究し、一緒に世の中をより良いものへ変えていきたいと思える学生をペーパー試験だけで選考することは、不可能に近いのです。一般入試の割合が減っているのは、受験生の情熱や思考、いままで積み上げてきたこと、何よりもっと総合的な能力について、直接会って選びたいという大学側の要望の表れでしょう。私はこの変化を、受験生にとってもご家庭にとっても良いことだと考えます。ただ試験の点数が取れるようになるのではなく、人としてより成長することに中高の6年間を費やせるようになるからです。

エデュ:大学入試の変化に、学校はどう対応する必要がありますか。

山口副校長:100年に一度の教育改革と言われていますが、最も変わらなければならないのは学校であり教師です。これからは知識だけでなく、大学や実社会で通用する能力を生徒に身につけさせないといけないからです。
本校は大学の教育現場の声をうかがい、こうなることを見越して2010年から準備を進めてきたため、総合型選抜や公募型推薦といった新しい形式の入試で実績を出すことができています。総合型選抜を「勉強しないで大学に合格できる」と誤解している方がいるようですが、学力以上に総合的な能力を必要とされ、簡単に突破できる試験ではありません。

瀧野川女子の歴史と先進的教育

エデュ:変化する大学入試に備え、準備を進めることができた理由は何でしょうか。

山口副校長:創立以来の校風にあると思います。本校は教師だった37歳の子育て中の主婦が、自宅の2階で、まるでベンチャー企業を立ち上げるように創立した学校です。以降、創立者の方針を受け継ぎ、社会に貢献できる創造性と起業家精神を持った女性を育成してきました。知識だけではなく、精神や能力を高めるという学校の伝統を、時代の最先端の技術を使って進化させてきたのです。それに加えて、最先端技術による教育のICT化により、これまで不可能とされてきた夢のような教育を、現実のものにすることができたのです。

最先端のICT環境が整った教室
最先端のICT環境が整った教室。瀧野川女子では2019年度に全普通教室から黒板がなくなりました

エデュ:夢のような教育とは、どのようなものですか。

山口副校長:生徒一人ひとりの能力と個性をもっと引き出す先進的な教育です。本校の教室には黒板がありません。黙々と板書する教師がいなければ、ノートに書き写す生徒もいません。クラウドで共有してしまえば一瞬で終わるからです。大切なのは書き写すことではなく、内容を理解して実力をつけること。教える時間は50分の授業のうち10~15分に短縮され、その後はみんなで実際に問題に取り組んだり、議論したりします。生徒一人ひとりの電子ノートが共有されているので、教師は生徒の理解状況をリアルタイムで把握でき、個別に適したアドバイスを与えられます。そして、クラスの生徒全員が「分かる」「できる」ことを確認して、自信を持って授業を進めることができるのです。その結果、生徒が楽しいと感じながら、2~3倍の速さで授業を進めることができるようになりました。

全生徒がiPad ProとApple Pencilを使用するICT環境 ≫

山口副校長:教育のICT化で捻出した時間で、新しい大学入試に直結する独自の学び「創造性教育」、授業の範囲を超えた深い知識を得られる「ゼミ制度」、本当に話せるようになる英語教育を実現することができました。

瀧野川女子のネイティブ教員
瀧野川女子のネイティブ教員。「実践的な英語を身につけるため、オールイングリッシュを前提とした、ネイティブ中心の授業を行なっています」(山口副校長)
新macルーム
学校独自設置科目として中学課程から「情報」を必修で学び、技術応用能力を身につけます
プログラミング演習や英会話も! ゼミ制度と中高一貫カリキュラム ≫

山口副校長:創造性教育は本校の必修科目で、創造性と起業家精神を育み、仲間と新しい商品や新しい仕事を生み出すことのできる女性を育成しています。高1では生徒が新商品を企画し、高2では事業化実習としてオリジナル商品を販売します。生徒は創造性教育を通して仕事とは何か、会社とは何かを考え、自身が好きなことと社会を結び付けて考えるようになります。
ゼミ制度は2020年度から開始しました。学習指導要領の枠を超えた専門性の高い内容に取り組んでいます。大学での専門課程で学ぶような内容を取り扱うことで、新しい大学入試に対応するだけでなく、その先の大学での学びやその後のキャリアを見据えた考え方ができるようになります。
創造性教育やゼミを通して身についた力や考え方が、生徒一人ひとりの進路選択と実現につながっています。

エデュ:最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

山口副校長:ペーパーテストに特化するのではなく、実社会でも役に立つ能力を身につけて、かつ、憧れの大学への合格を勝ち取ることが、私たちの学校では両立できています。しかも、多くの生徒が高3まで部活動や学園祭を、勉強と両立しながら全力で取り組めていることも、最先端の教育の成果です。私たちが行っている教育や在校生の姿を学校説明会で見ていただきたいと思います。瀧野川女子でお待ちしています。ごきげんよう。

編集者から見たポイント

創造性教育のアドバイザーには、ロボット工学の世界的権威で東京工業大学名誉教授の廣瀬茂男先生らが名を連ねています。そうしたつながりから大学の現場の声を聞き、山口副校長は新世代の教育を構築してきたのです。総合型選抜や公募型推薦の実績伸長は、先進的教育の実践の結果だと分かりました。
次回の連載では、創造性教育に取り組む在校生にインタビューします。お楽しみに。

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イベント日程

イベント名 日時 備考
校内見学会 2021年5月29日(土)
9:40〜15:20
小1〜中3対象
学校説明会&個別相談会 2021年6月12日(土)
13:30〜15:30
小4〜6対象
校内見学会 2021年6月19日(土)
9:40〜15:20
小1〜中3対象
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