現場の先生に直撃!瀧野川女子の先進型教育
inter-edu’s eye
時代を見据えて学校改革に着手し、その結果が大学合格実績に現れている瀧野川女子学園中学高等学校(以下、瀧野川女子)。教育現場では先生が生徒との問答を大切にし、最先端のICT環境と伝統の実学教育を組み合わせて質の高い授業を展開しています。そこで、瀧野川女子で長年職務に当たっている先生方に、ご担当教科の授業についてうかがいます。
「鎌倉時代はなぜ終わった?」全員でディスカッション
地歴公民科の授業について、齋藤辰彦先生にうかがいます。
地歴公民科の授業はどのように行われていますか。
齋藤先生地歴公民は暗記科目だと言われますが、本校では重要事項を一方的に説明して覚えさせるような授業は行っていません。地歴公民科全体で、思考力を鍛える内容にシフトしています。例えば日本史なら「鎌倉時代が終焉したのはどうしてだろう」と問いかけて、生徒が原因を探り、ディスカッションが始まります。地理なら「暑い気候の地域だと、どんな植物が育ちやすく、野菜や果物にはどんな特徴が出てくるだろう」と投げかけて、生徒が考えを巡らせて意見を出し合います。
高校生だけでなく、中学生もディスカッションをするのですか。
齋藤先生同じ問いかけをしますよ。高校生と比べると、中学生は圧倒的に頭が柔らかい。「じゃあ、こういう場合はどうなりますか」と、どんどん疑問がわいてくるのが中学生で、ディスカッションが非常に盛り上がります。中学生と鎌倉時代について散々語り合った後には、みんなの意見をiPadに集約して一つの資料を作るんです。前期・中期・後期に分けてまとめるときもあれば、戦を軸にしてまとめるときもあります。「1学年上の先輩はこんなふうにまとめたよ」と昨年の生徒の資料を見せてあげると、「先輩たちよりもっと良いものを作ろう!」と生徒がまた盛り上がる。
また、班ごとに資料を作成してプレゼンすることもあります。中高どちらも行いますが、中学校のほうが1クラスの人数が少ないので、その分深い学びができています。このため、高校では一貫生が資料作成やプレゼンをする際、「こうやるといいよ」と、周りの生徒を引っ張っていく。その姿は頼もしいですね。
瀧野川女子が独自にカテゴライズしている“第7世代の教育ICT”をどう活用されていますか。
齋藤先生発言が苦手な生徒は、iPadに意見を入力して共有することでディスカッションに参加できます。教員が「この考え方、いいね」と背中を押してあげると、生徒は自信を持って発言できるようになる。どんどん話す生徒がいれば、その最中にバーッと入力する生徒もいて、いろいろなタイプの生徒が教室で同時にディスカッションできるのはすごいことです。以前は生徒がノートを提出して、教員が添削して返却して……という作業がありましたが、それらが授業中に全て完結するので効率よく授業は進み、そのうえすごいスピードでいろいろな情報が共有されるので、より深いディスカッションができる。質の高い授業が展開できる分、頭をフル回転させるのでチャイムが鳴った後はクタクタです。
ネイティブ教員が教科の枠を超えて活躍
続いて、英語科の授業について芝辻憲子先生にうかがいます。
瀧野川女子の英語の授業について教えてください。
芝辻先生英語は話すことが何より重要です。高3生の英語の授業は週8コマあり、そのすべてをネイティブ教員が担当しています。中学から入学した場合は、高校2年次でほぼネイティブ教員の授業になりますね。最初は書くことがとても大切なので、iPadを活用してトレーニングし、少しずつアウトプットの仕方を学んでいきます。
先日、高校から入学した高3生と話をしたら「iPadに英文を書いて意見を伝えることはできるようになっても、いざ人に話そうとするとどうしたらいいか分からなかった。でも、簡単な言葉を口にするだけで気持ちが伝わることが分かってからは、少しずつコミュニケーションをとれるようになり、今ではネイティブの先生と英語で会話することがとても楽しい」と言っていました。
貴校の実学主義により、英語の授業は“外国の方とコミュニケーションがとれるようになる”という形で完成されていくのですね。
芝辻先生ネイティブ教員は副担任としてホームルームに参加するなど、英語の授業以外でも生徒と交流します。さらに本校にはゼミ制度があり、そこでネイティブ教員は各自の特技を活かして英語で化学を教えたり、生徒とフットサルをしたりします。このような場で、英語の授業では使わないような単語を自然と話すきっかけが生まれています。2学期からは、カメラマンでもあるネイティブ教員がフォトグラフのゼミを始めるんですよ。彼らはどんどん意見を出して実践してくれるし、iPadの使い方にも長けているので、非常に心強い存在です。
貴校のゼミ制度は優れたICT環境によって時間を捻出でき、誕生した制度と聞いています。英語の授業では、第7世代のICT環境をどう活用されていますか。
芝辻先生生徒が書いた英文をその場で添削して返却する、といった使い方はもちろん、英検対策でも活用しています。英検では、ある意見についてどう思うか、賛成・反対の判断とその理由を2つ書かせるといった問題があります。1つなら書けても、2つと言われるとなかなか答えられない。そんなとき、クラスのみんなで意見を共有するんです。バーッと書き込まれた賛成派、反対派の意見をその場で見ることができると、「そういう考え方があるのか」「この意見は面白い!」と仲間の発想に触発され、考えを広げていくことができるんですね。それだけでなく、賛成派だった生徒が反対派の意見に納得して、意見を変えることもあります。こうした効果を生み出せるのは、現在のICT環境あってこそです。
瀧野川女子での生徒の成長
ここからは、教科を越えた話題についてお二人にうかがいます。
生徒は瀧野川女子でどのように成長していますか。
齋藤先生どの授業でも発表する機会が多いので、場慣れして、生徒全員が自分の意見を堂々と発言できようになります。
芝辻先生独創的で、説得力のある意見を言えるようになりますね。これは創造性教育の影響が大きいと思います。
齋藤先生本校では、通常なら大学で経験することを中高時代に体験でき、社会で必要とされる能力を早い段階から身につけることができます。そうした学びを通して、学年が上がるにつれてどんどん個性が磨かれていきますよ。
瀧野川女子はどのような学校だと感じますか。
芝辻先生私は、瀧野川女子という学校は一つの家族のようだと感じます。駄目なことは駄目と言い、でも決して見捨てることなく正しい方向へ導く。ですから、保護者の方に「安心してお子さまを預けてください」と言える学校だと思います。
編集後記
副校長の山口龍介先生は、「本校には、担当教科が心底好きな教員が集まっています。好きだからこそ、教員自身が年々新しいことを取り入れ、試行錯誤することで授業が独創的になります」と語ります。夏や秋には学校イベントが豊富です。授業体験ができる学校説明会や、生徒が創造性教育の成果を発表するあかつき祭で、独創的な学びを体験できるでしょう。
イベント情報
イベント名 | 日時 | 備考 |
---|---|---|
学校説明会&個別相談会 | 2022年8月27日(土) 9:30〜12:00 | 第7世代の教育ICTを体感できる授業体験あり。小4〜小6対象 |
学校説明会&個別相談会 | 2022年9月17日(土) 時間未定 | 小4〜小6対象 |
あかつき祭 | 2022年9月24日(土)・25日(日) 時間未定 |
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