創造性教育
瀧野川女子学園では、これからの社会でも、企業でも求められる、新しい仕事を創り出せる女性を育てるために「創造性教育」を中高5年間の必修授業として行います。
目指す目標は大きく分けて2つ。
一つは、自分のなかにあるキャリアビジョンの発見。さまざまな体験を通じて、自分の好きなことや夢中になれることを見つけること。それを社会とどう結びついていけるのかを段階的に理解していくなかで、進みたい進路や仕事、そして、自分の人生設計が見えてきます。
もう一つは、プロダクティブな創造性と起業家精神の育成。「夢中になれること」をキーワードに、漠然とした思いから、具体的で新しいアイデアを生み出すプロダクティブな創造性を身につけます。
1年
理想の街を創ろう
世界最先端のデザイン思考を、身近なテーマで体験的に学んでいきます。
5人ほどのチームで、具体的な地域や建物について実際に行って調べるところから始めます。
そこから、もし、このような街だったらと発想を膨らませ、自分たちの考える理想の街の模型を創り出していきます。
実際に手を動かしながら仲間と試行錯誤するなかで、チームで創造することの楽しさと、社会に向かって自分たちのアイデアを発表する力を身につけます。
また、プロジェクトマネジメントの手法を段階を踏んで学んでいきます。
ブリティッシュヒルズ
日本国内で英国留学と同等の経験ができる異文化研修です。
粉雪舞うクリスマスに、皆で古き良き英国貴族の領地が再現された高原まで旅に出ます。
まるで映画の魔法の国。英語での楽しい雪遊びや、可愛いお店でキャンディを買うなかで、英語が自然に口をついて出てくるようにスタッフ全員が導いてくれます。
写真のようなリフェクトリーで英国式マナーを学び終えた頃には、英語は実際に使うもの、そして外国文化を学ぶことは楽しいことだと感じているはずです。
また、世界には異なる文化が存在することを実体験を通じて理解することも大切な目的です。
2年
エンターテイメントロボットコンテスト
プログラミングやロボットなど、先端テクノロジーは、とても便利で大切なものですが、所詮は道具。
それを使って何をしたいのかを考え出すことが一番大切なことです。
必修の情報科の授業で、ロボットを動かして、解りやすく、そして楽しくプログラミングを学んだ後、実際にエンターテイメントロボットを創って大会に参加します。
ルールは簡単、5人のチームでロボットを創って、観客を楽しませたチームが勝ち。
ICT技術など、これからの世界でどのような仕事に就くにしても必要な、先端テクノロジーを道具として使いこなす意識と基礎を身につけます。
2015年度には日本機械学会主催の第19回ロボットグランプリで工学系の大学生チームを破り、準優勝に輝きました。
奄美冒険旅行
奄美大島に降り立ってまず驚くのは、その食べ物の美味しさです。
この豊かな食物を育んでいるのが、ハブが守る原生林なのです。豊かな森で栄養を吸収した水と土が、農作物やマングローブの原生林を育て、プランクトンが豊富なサンゴの海を育んでいく。多くの魚や貝が育ち、魚たちが食事と共に食べたサンゴのかけらが、白い砂浜を作りだす。
そこに住む人々は、この豊かな自然を傷つけぬよう、大切に守りながら自然から豊かな恵みをいただく。
水がつなぐ、この見事な循環を、全て体験できる場所がこの奄美大島なのです。
ここには、海と共に何千年と生きてきた私たち日本人が懐かしいと感じる、心の原点とも言える大自然が待っています。
中学2年の秋、6つの挑戦が待つ4泊5日の冒険の旅が始まります。
奄美に生まれ育ち、この自然と共に生きる人々の全面協力によって実現した前代未聞の冒険旅行。
全身で体験しなければわからない感動と学びがこの冒険旅行には込められています。
さあ、冒険の旅へ出かけましょう。
3年
中学卒業論文発表
生徒一人一人が、自分が面白いと思っていることや、凄いと思っていることから自由にテーマを選び、1年間かけて指導教員と研究を進め、その成果を観衆に向かってプレゼンテーションする、瀧野川女子学園中学校の伝統プログラム。
評価されるのは、世の中をより豊かにする独自性溢れるアイデアと、自分が本当に良いと思っているからこそ湧き出る、借りものではない自分の言葉。
毎年、ユニークな発表内容はもちろん、iPad Proなどを使いこなした、観衆を魅了するエンターテイメント性の高いプレゼンテーション技術にも、「中学生とは思えない」と驚きの声が上がっています。
4年
商品企画コンペティション
自分の「欲しい!」と世の中の人々の「欲しい!」
そこをつなげて、近未来の夢の商品を考えだし、学内企画コンペに挑みます。世の中にはまだないけれど、手にした人々に「これが欲しかった!」と言わせてしまうようなものを創りだす考え方がDesign Thinking(デザイン思考)。シリコンバレー生まれのこの考え方を体験的に学んでいきます。
ブリティッシュヒルズ
美しい新緑の時期に再び訪れます。今度は十二分に話せるようになった英語を実際に使って見る絶好の機会です。
敷地内での会話は英語がルール。友達との会話や雑談も英語で挑戦です。
実は、こうした雑談などで話したいことを外国語でどう言うのかを試行錯誤することが、外国語の上達の秘訣なのです。
また、一年で一番美しい時期と言われる5月には冬と違った魅力がいっぱいです。
新緑の美しいオープンテラスで、英国式のアフターヌーンティを楽しんだり、美しい高原のなかの散策ルートを英国人の先生たちと歩いたりもできます。
このような最高の経験を全て英語を教わりながらできるのが、ブリティッシュヒルズの素晴らしいところなのです。
たった2泊3日ですが、教室の中では得られない、最高の語学体験が待っています。
5年
事業化実習
9月末のあかつき祭(学園祭)で取り組む企画を新しい事業だと捉えて、チーム全員の力で、新しい価値を創り出し、いかに多くのお客様に楽しんで貰えるかを競います。
今までに学んできた、創造の技法とプロジェクトマネジメントの力、相手と目標を意識したコミュニケーション能力を総動員して、起業の一連の流れを経験します。
また、財務・投資の基礎知識を体験的に学んでいきます。
クラスの全員が、自分の成し遂げた仕事だと誇りに感じて、大学や企業に実績としてアピールできるように導きます。
ハワイ諸島修学旅行
若い時期の海外旅行は、その後の人生観に大きな影響をもたらします。
2年生では、大自然と多文化社会を体験し、グローバル社会での未知への好奇心や進取の気質を大きく高めてくれる、ハワイ諸島への旅に出ます。
奇跡と言われるほど多様で雄大な自然を誇る美しいハワイ島には、熱帯のジャングルはもちろん、世界にある13の気候帯のうち、北極気候とサハラ気候を除く全ての気候が存在しており、生物、海洋、火山、天体研究の世界的拠点でもあります。
これだけの大自然を誇りながら、伝染病、病害虫や毒蛇、猛獣とは無縁で、治安も医療も問題のない場所は、世界中を探してもここにしかありません。
イルカとのスキンシップや亀と泳ぐ貴重な体験、火山トレッキング、標高2000mでのスターゲイジングツアーなど、この豊かで多様な大自然のなかで3日間の冒険の旅に出ます。
また、世界有数のリゾート地として有名なオアフ島は、全米でもずば抜けた多民族社会でもあります。
世界中からさまざまな人が集まる国際都市の側面と、ハワイ諸島の寛容な文化が融合した独特の場所です。
ここでは2日間にわたって、全米でも有数の研究型大学で、オバマ大統領の母校でもあるハワイ大学での交流プログラムを行います。
これまで学んできたデザイン思考では、事業化実習での成果を活かせるように企画を進めています。
ハワイ諸島での5泊7日の旅は、一生ものの財産となることでしょう。