入試改革に対応するチカラを! 人間力を養成する土曜講座

入試改革に対応するチカラを! 人間力を養成する土曜講座

inter-edu’s eye

教科横断型授業・英語教育・アクティブラーニングを教育の3本柱とし、“自進力”の育成を目指す東洋女子高等学校(以下、東洋女子)。連載第2回は教科横断型授業にスポットを当て、今年度からカリキュラムに組み込まれて必修化された土曜講座の潜入レポートをお届けします

多角的な学びの場「土曜講座」

教科横断型授業の狙いは、視野を広げて学びの感性を育てること。教科の枠を超えて物事を多角的にとらえ、吸収した知識を関連付けて学び取る力の定着を目指します。この方針の下、教科書にはない分野や、学びを通した地域社会との交流など、普段の授業では取り扱えない内容を盛り込んだ学びの場として、土曜講座が誕生しました。昨年度はプレ講座として実施しましたが、今年度から全学年の必須科目となり、生徒は学期ごとに1つ以上の講座を選択します。

土曜講座一覧(2019年度)
・漱石・太宰文学における女性観
・社会現象を討論する
・Global Studies
・はじめての韓国語
・Science Club -生物-
・理科実験教室
・プログラミング
・メディア講座
・Thinking about Minorities
・和の心〜素敵な女性の作法

土曜講座に潜入! 人気の授業はどれ?

インターエデュのスタッフが教室を渡り歩き、講座を見学してきました。

理科実験教室

1・2学期は“物理学×ものづくり”を体験。身近な電子機器を手作りすることで、日常に潜んでいる理科の原理を知ります。3学期には近隣の保育園・幼稚園から園児を招き、理科実験教室を開催。開催前には児童心理も学びます。

録音再生機の電子工作キット
当日の教材は録音再生機の電子工作キット。タブレットと繋いで好きな曲を録音・再生します。
組み立て作業のようす
難しい設計図と戦いながら、組み立て作業に夢中なようす。

はじめての韓国語

ネイティブ講師と日本人教師のチームティーチングで、ハングル文字から発音・文法まで韓国語の基本を学びます。K-POPや食べ物など韓国文化への理解を深める内容の回も用意されています。

担当の野田先生は英語科ですが韓国語もサポート
担当の野田先生は英語科ですが韓国語もサポート。
トリリンガルのグレース先生
トリリンガルのグレース先生が持参したイラストカードがこの日の教材。生徒たちは「おじいちゃん(할아버지)」「いす(의자)」「くま(곰)」などのスペルや発音を学んでいました。

プログラミング

タブレット端末を使ってプログラミング言語を学び、球体ロボットやドローンを操縦。論理的思考力とチームワークが身につくカリキュラムです。

コースの設営
体育館を広く使い、まずはロボットを操縦するためのコースを設営。
プログラム設計の相談
数人ごとのグループに分かれてプログラム設計を相談。意見を出し合い、ロボットの進路を決定します。
ドローンが浮上
プログラムをいざ実行! ドローンが浮上しました!
原因検証
障害物にぶつかってしまったら何が原因かを検証。論理的に解決し、ゴールを目指します。

「メディア講座」では、受講生徒が別の講座現場で取材を行い、“土曜講座レポート”を学校ブログで公開しています。講座内容の紹介や、先生・生徒インタビューなど、各回工夫を凝らして記事を作成していますよ。ぜひチェックしてみてください。

土曜講座で獲得してほしいスキル

教務主任の藤田円先生に、土曜講座についてうかがいます。

インターエデュ(以下、エデュ):10講座はどのように策定されたのでしょうか。

藤田先生:“教科に縛られない形”が前提にあり、さらに「生徒に伝えたいこと」と、先生の「こういうことも教えたい」というニーズがうまく一致して10講座が選定されました。たとえば、「和の心~素敵な女性の作法」は、体育の先生が自ら学んだ礼儀作法を生徒にも還元したいと志願し開講に結びつきました。

エデュ:担当する先生方の意気込みは。

藤田先生:教材を作ったり、どうしたら生徒の興味を引きつけられるか考えたりと準備することはたくさんあるのですが、「たいへん」と言う先生たちの顔が輝いているんです。「講座をすることでリフレッシュできる」「来週へのパワーが出る」と言ってくれて、普段の仕事へのモチベーションアップにもつながっています。

エデュ:プレ講座で感じた手ごたえや改善点は、今年度の講座にどう活かされていますか。

藤田先生:プレ講座の段階で、人気の講座では約30人と受講者が多く、生徒は自分がやりたいことがあれば反応することが分かりました。「こういう授業は必要だ」と確信したので、探究の単位としてカリキュラムに取り入れ、必修化しました。また、プレ講座のときは外部講師を呼んだり、課外授業をしたりする頻度が多かったのですが、行って終わりにならないよう振り返りや話し合いをじっくりするべきだと、つまり“探究”の時間を増やすべきだと考え、今年度の講座内容に反映しました。

エデュ:今後、導入したい講座や新たな計画はありますか。

藤田先生:語学系・文学系を細分化したり、芸術系や社会の仕組みを学ぶ経済学の講座を追加したり。プログラマーのようにプログラム言語を組む講座があってもいいかなと思っています。

藤田先生
藤田先生「土曜講座はクラスをまたいで実施しているので、短い時間の中でいろいろな人と一緒に作業する中で、コミュニケーション能力が上がったと思います」と生徒の成長を実感しているようす。

エデュ:講座を通して獲得してほしいスキルや考え方、また、生徒に伝えたいことは何ですか。

藤田先生:多角的な視野を持てる人間になってほしいですね。たとえば韓国語と日本語の違いを考えたり、実験で失敗したら何がいけないのかと理由を考えたり。そうやって考えをつないでいくことで、多角的な視野を持ち、さらに人間力が増していくのだと思います。大学入試改革により、人間力が重視され、多角的視野と思考力を問われるようになるので、今後必要とされる力が備わればうれしいですね。間違いや点数を意識しないで挑戦できる土曜講座を通して、生徒が一歩踏み出そうという気持ちが膨らんだら、“自進力”が身につくのではないかと思います。

エデュ:受験生とその保護者へのメッセージをお願いします。

藤田先生:「なかなか自分の意見を素直に言えないけれど、本当はいろんなことに興味があって表現したい、発信したい」。こんな思いを秘めたお子さんは、本校で同じ思いを抱えた仲間と一緒に作業する中で、心を開くことができるようになると思います。ぜひ本校で自らの可能性や才能を開花させ、自分を磨いていってほしいですね。

編集者から見たポイント

講座によっては、かなり専門的な内容を扱っていた土曜講座。生徒が各自の適性を知り、好奇心や探究心を満たす学びになっていると感じました。さらにボリュームアップしていく土曜講座は、東洋女子の教科横断型授業に深みをもたらしてくれることでしょう。

イベント日程

イベント 日時 時間 備考
オープンスクール 2019年8月24日(土) 10:00~16:00 要予約 午前オープンスクール・午後クラブ体験
秋桜祭(学園祭) 2019年9月15日(日) 9:30~15:00 場所:本校
秋桜祭(学園祭) 2019年9月16日(月・祝) 13:00~16:00 場所:北とぴあ
第2回学校説明会 2019年9月21日(土) 14:30~ 終了後個別相談あり
第3回学校説明会 2019年10月26日(土) 14:30~ 終了後個別相談あり
第4回学校説明会 2019年11月3日(日・祝) 10:00~ 終了後個別相談あり
第1回個別相談会 2019年11月9日(土) 10:00~16:00 要予約 随時個別相談
第2回個別相談会 2019年11月16日(土) 10:00~16:00 要予約 随時個別相談
入試問題解説会 2019年11月23日(土・祝) 9:00~11:30 要予約 終了後個別相談あり

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