2013年 東大 入試傾向分析インタビュー 穎才学院
東大受験とは?
作家の石田衣良さんは、「悪い人間がつくるラーメンはまずくて、いい人間が作ったラーメンはうまいのなら、世界はどれほどすっきりとわかりやすくなることだろう。」と言っています。
ここで言うように、作者の人間性と作品との間には何の関係もありません。これと同じことを、ソシュールという学者が説明しています。私たちは、ラーメンを味わうときに、麺もスープも具も、そのすべてを大切に味わいます。麺から食べるとか、まずはスープを一口飲むとか、そんな能書きはどうでもいいのです。ですが、麺を少し食べるだけとか、スープを一口飲めば全てがわかるとか、そんなことをしていたら、ラーメンのおいしさはわからないでしょう。
2013年東京大学入学試験(前期日程)の国語「第一問」は、それぞれの文章には「特有な、独特なもの、密かなものが含まれて」いて、私たちはそのようなものを「絶えず気づかうべきであろう」と論じます。ほら、ラーメンとよく似ているじゃないですか。本文をどこから読むか、何から手を付けるか、なんて能書きはどうでもいいのです。しっかりと本文と設問をすべて丁寧に読み解くことが東大受験でも大切です。ラーメンを最後の一滴まで味わうように。