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3回目の今回は特別編! 監修塾の「受験ドクター」の先生から、御三家に受かるための学習戦略を教えていただきます。お子さまのタイプに合わせたアドバイスや、御三家6校攻略のカギなど必見です。
御三家合格のツボ
はじめに
中学受験を決めた時点で、御三家が求める力をあらかじめ備えている生徒はまれです。多くは努力と対策で合格を勝ち取っていくのです。実情では、合格まで偏差値を10くらい上げる必要がある受験生が多いのではないでしょうか。
そこで、今回はその「御三家合格まで、あと偏差値を10上げる必要がある子」に向けて、学習戦略をお伝えします。
※今回の「偏差値」は四谷偏差値を基準にしています。
タイプ別!偏差値10アップ大作戦
「合格まで偏差値を10上げる必要がある子」といっても、状況は千差万別。それぞれの状況にあわせた対応が必須です。
その前提として、多くの生徒さんにあてはまる2つのタイプ別に対策をお話しします。
お子さまのタイプはどっち?
1.どれもイマイチタイプ
極端に偏差値の低い科目はないが、突き抜ける科目もなく、4科目合計が合格ラインに届いていない
2.苦手科目ワル目立ちタイプ
1科目ないし2科目が足を引っぱり、結果として4科目合計では合格ラインに届いていない
どれもイマイチタイプは…
2方向からのアプローチが考えられます。
作戦その1
ありきたりですが基本を固めるという作戦。
成績が突き抜けない原因は、応用ができないから。応用ができない原因は、基本が固まっていないから。そもそも、御三家を目指すために必須の基本が固まっていない可能性が高いため、まずはそこを磐石にしましょう。
作戦その2
算数で稼ぐという作戦。
1問あたりの配点が高い算数を攻略することで、突破口を見出しましょう。
ぜひ、第1回の「御三家の算数攻略」を参考にしてください。算数は学校ごとに相性がはっきり現れます。相性が悪ければそれだけ伸びしろがあるんだ!と前向きにとらえましょう。
苦手科目ワル目立ちタイプは…
足を引っぱっている特定科目の弱点補強を行います。
ただし、その科目の全般にわたって補強するというよりも、志望校の出題傾向のうち最もカギになる内容を補強するのがコツ。入試までもう時間がない!というときでも、これだけやれば状況を改善できるという指針があれば、お子さまも取り組みやすいはずです。
~御三家合格のための「たったこれだけ!大作戦」~
志望校別!出題傾向のうち、最もカギとなる内容
開成中学 | 算数 | 他の単元と比べて難易度が穏やかな、速さ、平面図形、立体図形の徹底演習。 |
---|---|---|
理科 | 実験器具とその操作。 | |
麻布中学 | 国語 | 物語文の徹底攻略。心情の変化を追う練習、表現から心情を読み取る練習。 |
社会 | 手持ちの知識を利用して、一歩踏み込んだ思考を記述する訓練。 | |
武蔵中学 | 算数 | 平面図形と比、相当算、旅人算に絞り込んだ演習。 |
理科 | 動物・植物の知識。 | |
桜蔭中学 | 理科 | 問題文中の条件整理を伴う溶解度の問題。太陽系全体の図の理解。 |
社会 | 世界地理。食材。 | |
女子学院中学 | 理科 | 状態変化。 |
社会 | 地図問題。 | |
雙葉中学 | 国語 | 比喩表現の言い換え練習。状況を整理する練習。 |
理科 | 環境問題に対する優等生的見解を記述できるように。 |
これは、「苦手科目ワル目立ちタイプ」のお子さまに向けた特効薬ですが、「どれもイマイチタイプ」のお子さまにも有効です。
過去問の“正しい”取り組み方
一人ひとり取り組み方は違って当然
否が応でも避けられない志望校の過去問。ですが、万人に共通の「正しい取り組み方」があるわけではありません。Aくんには適していたことが、必ずしもBくんに適しているというわけではないのです。
つまり、過去問の“正しい”取り組み方は、個々により異なるということ。
信頼している塾の先生に、過去問の取り組み方の指示(いつ、どのように、どれくらい)をお願いするとよいでしょう。
やりっぱなし=やっていない
しかし注意点として、どのお子さまにも共通して言えることがあります。それは「過去問のやりっぱなしは、やっていないに等しい」ということ。
時間を計って解く→採点する→おしまい、では過去問をやる意味がありません。採点後に(1)失点した問題の解き直し→類似問題も解いてみる、(2)時間配分の反省→次回に生かす、(3)取り組んだ年度が蓄積した段階で、得点率の悪い分野の補強。この(1)~(3)をやってこそ、過去問に取り組んだ効果が得られます。
今回のまとめ
御三家合格に向けてあと偏差値を10上げるには、相応の学習戦略が必要です。
応用問題に気をとられることなく、まずは基本をしっかりと固める。
1問あたりの配点が高い算数で得点を稼げるようにする。
出題傾向のうち、最もカギになる内容に特化して補強する。
これらに、個々に応じた過去問戦略を加えることで、偏差値10アップが現実のものとなります。
編集者が見たポイント
海田先生のアドバイスはいかがでしたでしょうか。
御三家を目指すお子さまの弱点を的確に見極め、合格に向けてのプランを練り上げることに定評がある「受験ドクター」。なかでも、「子どもソーシャルスタイル診断」を用いて、講師が接し方を工夫することでお子さまのやる気を引き出す指導は、一度お試しいただきたいものです。お母さま向けのセミナーも開催されています。
今回のアドバイスも、そういったノウハウがあってこそ。学習相談も無料で対応してくれますので、お悩みのお母さまは、プロのアドバイスを聞いてみてはいかがでしょうか。