連載インタビュー 第3回 筑波大学附属中学校
inter-edu's eye
「附属」の愛称で知られる筑波大学附属中学校は、120年以上の歴史と伝統を有し、これまでに数々の名立たる著名人を輩出してきた名門校だ。日本のみならず世界で活躍する人材を育成する秘訣は何か。どのような教育を進めているのか。「強く、正しく、朗らかに」を教訓に、「生きた学び」を進める同校の特色や魅力について館副校長に伺った。
館 潤二 副校長 | |
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1952年生まれ。国際基督教大学卒業後,15年間東京都公立中学校に勤務。 1991年より筑波大学附属中学校に勤務。 2009年より筑波大学附属中学校副校長 筑波大学非常勤講師を兼任(2002年~) 日本公民教育学会常任理事,日本社会科教育学会員,筑波大学教育学会理事,法と教育学会理事,法教育推進協議会法教育普及検討部会委員(法務省)・学習指導要領改善に関する調査研究協力者(文部科学省)などを歴任。 |
【第3回】国内・海外で活躍している著名な卒業生との交流
エデュ:生徒さんは、附属小からの進学者と外部生がいらっしゃるかと思いますが、人数の割合はどれくらいですか。
館副校長:1学年200人の中で附属小からの進学者が3分の2、外部生は3分の1です。附属小から進学した生徒は、中学・高校と同じ様に活動的な場面をより多く経験していることもあり、感受性と表現能力の高さを感じますし、外部生は難しい受験勉強をクリアしていることもあり、学習能力と意欲の高さを感じます。
内部生と外部生、男子生徒と女子生徒がお互いの良さを認め合っていくことで良い学びが経験できるのではないかと思っています。よい意味でそれぞれが影響し合っている。これもほかの一貫校にはない本校の特色であると思います。
エデュ:その中で高校に進学するにあたっては、選抜試験で入学者を決定していますが、完全な一貫校にするのではなくこのようなシステムを採用している理由は何ですか。
館副校長:附属小学校に6、7歳で入学してきた子どもたちは、個性も、才能も、学力も多彩ですし幅もあります。ですから、小中高とすすむにつれ、学習がかなり高度な内容となってきたときに、このような授業に合った生徒と、そうでない生徒とが出てくるのは当然のことですし、自らの個性や才能を活かす多様な進路選択の道を保証することは必要なことではないかと思っています。
エデュ:著名な方を多く輩出されているのも魅力の一つだと思いますが、卒業生との関わりはありますか。
館副校長:政官財、学問、芸術などとにかく多くの分野に卒業生がいます。とても多様性に富んでいますね。国内ばかりでなく海外で活躍している卒業生を呼んで講演をお願いすることもあります。本校に教員として戻ってくる卒業生もいます。OB会も盛んで企業ごとに会が組織されているので、社会に出てからも「附属」の一員で良かったと思えますし、その世界で働く際には安心感もあると思います。
現在、「桐陰会館」という300人程の生徒が集まることができ、学年での活動やOB会の活動にも使える多目的ホール、国際交流に活用できる和室、そしてこれまでの教育研究や教育実践の保管や展示ができる施設の建設を計画しています。保護者やOBの方々の募金をもとに来年度中に完成する予定です。
ありがとうございました!
筑波大学附属中学校 | |
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