特別な教科・教育を行っている学校
自ら発信し、能動的に学ぶ教科教育
本校は、生徒自身が発信し、能動的に学んでいく独自のスタイルを教科教育に取り入れています。 国語では教科書だけでなく各学年の年齢に応じた文章を読み深め、漢字や感想文・小論文などの文章表現、練習、古典作品、精読をします。理科では、中等科1年生から頻繁に実験の機会を作り、実験で得られた結果が、どうしてそのような結果になるのかを考えていくプロセスをレポートにまとめあげます。
男子部英語科では、高等科修了時に英語でプレゼンテーションができるレベルを目指し、中等科から英語で原稿を書くライティング能力をつけるための文法基本文の習得、またパブリックスピーキング(人前で発表する力)を身につけてるために、レシテーションコンテスト(英語暗唱大会)を開催しています。オバマ勝利演説なども課題文として取り上げました。
学年末には「まとめ」と呼ばれるレポートを作成します。一年間に履修した全ての教科から課題が提出され、それを考え抜いて一冊の冊子へとまとめます。各教科のユニークな課題に加え、自分自身の一年間の成長を見つめる課題、たとえば実際に体験した学年や学校での働き、部活や個人で取り組んだこと、一年の生活を通して自分なりに考えたこと、なども文章にまとめます。熱心な生徒にもなると、その分量は数百ページにもなります。
提出された「まとめ」は、教科担当の教員や担任が時間をかけてメッセージを書き込み、春休みのうちに生徒の家庭へ郵送されます。この本校の「まとめ」は、1.一年間の学習の復習と発展学習の場、2.自分で作る家庭への学習報告の場、3.生徒一人ひとりの理解度を確認する場など、様々な性格を持ち併せています。
生徒たちが自治運営する寮生活
学校行事や日常生活においても、生徒たちは様々な場面でプロジェクトを与えられ、組織として行動することが求められます。少人数のリーダーだけでなく、グループを構成する全員が主体的に参加し、問題を解決していく過程にこそ学びの本質があると考えています。
それらの教育の根幹を成しているのは、生徒たちが自治運営する寮の存在です。
寮生活の目的は、自律したよい生活習慣を身につけ、人との関わりの中で人間関係を学び、自治的生活の中で自分たちの住む社会を良くしていく力を身につけることにあります。日常生活で培った関係性や問題解決の手法が、授業で学びあう場でもプロジェクトへのチャレンジにおいても生かされています。また、寮での学習においても生徒同士で教えあうシステムが浸透しており、中等科生徒の補習を高等科生徒が行なったり、学部の学生やボランティアの方を招いての発展学習を行なったりと、縦のつながりや寮の特色を生かした学びを行なっています。このような24時間の教育のなかから、自ら学び、自ら考え、自ら発信する力を育てます。
教科の枠を超えた学び
この秋にも、本校では2つの大きなイベントを催します。10月6日の「体操会」、11月16~18日にある「美術展」です。この2つのイベントは、どちらも共通する特徴が3つあります。
1つ目は、幼稚園から大学部までの全校生徒が参加する行事だということ。2つ目は、体育も美術もそれを好きな生徒だけでなく、全員が参加して行うということ。そして3つ目は、運営準備の全てを生徒が中心になって行うということです。全員参加の行事を生徒たち主体で行うには、それが得意でない生徒をも巻き込んでいく組織としてのパワーが求められます。また、イベントの成功というプロジェクトに向かって、少人数のリーダーだけでなく全員が協力して問題を解決していく過程に学びの本質が隠されています。
「体操会」では、中1から高3までの全生徒が協力して体操の演技を発表します。運動が得意な生徒もそうでない生徒もそれぞれが出来るかぎりの力を出して披露する演技は、お客様が感動して涙を流すほどの迫力があります。
「美術展」は学校中を一つの大きなキャンパスとして、学年やチームで作りあげた美術作品を展示します。作品の指導には作家・芸術家の方をお招きするほか、理科や数学などの教員も他教科の視点から指導に当たります。これらの行事は当日の進行や受付なども生徒たちの手で行なわれ、毎回数千人のお客様にお越しいただいています。
そのほかにも「音楽会」「学業報告会」など様々な発表の場があり、そのようなプロジェクトを成功に導く経験を通じて、教科の枠を超えた学びを得ています。
受験生へのメッセージ
自由学園は、単なる知識や技能の習得により有能な人材を育成することにとどまらず、身につけた様々な能力を、よりよい社会を創るために活かすことのできる使命感と温かい心を持った人を育てたいと願っています。
そして卒業生は国内外を問わず様々な分野において、第一線で活躍しています。
このような学校紹介の場で皆様に見ていただけるのは本校の魅力のほんの一部です。どうか一度でも本校にお越しいただき、活き活きと活動する生徒に、豊かな自然あふれる広大なキャンパスに、そしてそこに脈々と息づく本校の教育理念に出会っていただければと願っています。